季節の移ろいと暮らしの足跡

閑静な住宅街の中にひっそりと佇む、築55年の戸建住宅。

駅までのアクセスは徒歩圏内で、ロードサイドのお店も多い、生活に便利な穴場的エリアです。最近では、この辺りもスクラップアンドビルドが進み、広い敷地のお家が取り壊され、小さな建売住宅が立ち並ぶようになりました。本物件にも実際、そうした依頼があるんだとか。

しかし売主さんから「この家を大切に住み継いでいただける方を探したい」とお話し頂き、このたび募集となりました。

敷地面積は160坪以上。元々はI字型の2階建てだった建物を平成8年に増築し、現在のL字型プランに。二世帯住宅としても十分使える広さになっています。そのL字型の建物が囲うように存在する中庭には、梅や柿、花梨にブルーベリー、金柑やつつじ、金木犀など、季節ごとに楽しめる植栽が丁寧に育てられてきました。灯籠や手水鉢も置かれ、和の趣ある庭園風景が広がっています。

また、建物の裏手には15坪ほどの畑があり、ちょっとした農作業や家庭菜園を楽しむこともできます。街中の住宅街にありながら、ゆったりとした暮らしを楽しめる余白こそが、この家の魅力です。

室内は広々とした200㎡超のゆとりある空間。開口部が広く、縁側からは中庭の緑や四季折々の花々を眺めることができます。窓から入る陽光は優しく穏やかで、室内にいながら外部空間との一体感を心地よく感じられます。

もちろん築55年ともなれば相応の経年劣化はありますが、それ以上に丁寧に手入れされ、愛情深く使われてきたことが見て取れます。内装や間取りは好みに合わせてリニューアルしても良さそうですが、この家が持つベースの良さは、実際にご覧いただければすぐに感じていただけるはず。

新築物件にはない、長い時間をかけて築かれた庭の植栽、そして家そのものに残る暮らしの足跡。

それらを未来へつないでいただける方を、お待ちしています。


※増改築部分（平成8年 91.89m）は未登記です。