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2010.10.20

御供所通りが熱い。 ~町屋カフェもオープン~

 

大博通りの一本裏を並行して走る「御供所(ごくしょ)通り」をご存知でしょうか?昔はたくさんのお寺があったという御供所町と上呉服町を結ぶ道。

今でもいくつかの広大な敷地のお寺がひっそりと佇んでいるが、それほど人通りもなく、物静かな下町通りという印象。

以前は個人商店が立ち並ぶ活気ある通りだったようだが、近年は店がほとんどなくなり、口を閉ざしたようにシャッターが並ぶ景色になっていた。

しかし、ここ数年で、面白い動きがいくつか出てきた。

デザイン事務所やカメラマンのスタジオなど、いわゆるクリエイティブな職業の人たちが、静かな通りと緑豊かなお寺の環境、天神エリアよりも手頃な賃料に惹かれ、オフィスを引越してきたのだ。


PHOTO: SHINYA MATSUSHIMA

古いマンションの1階部分と倉庫を改装したオフィスデザイン会社addalpha(アドアルファ)さん。

オフィスのデザインやCGパースを作っているので、煮詰まったときは外で一服。たまに、会議も道端でしてみたり。

そんな新しいオフィスライフを満喫していると、訪れた人に御供所町の雰囲気の良さを感じてもらえるそうだ。

すると、間もなくして隣の建物に、本当に知人のカメラマンさんが移ってきた。


PHOTO: SHINYA MATSUSHIMA

カメラマンの集まるアジト、Nouvell Gallery(ヌーベルギャラリー)さん。外にはお寺の門構えが見えて、新しさの背景に伝統が見え隠れする空間。1階の過ごしやすさを感じます。

こちらは花屋「月麦(つむぎ)」さんと博多織工房「博多TSUKURI堂」さんが隣合わせに。どちらも新しいのに下町風情に溶け込んでいる。

やはり、建物の1階に雰囲気の良いテナントが入ると、それだけで道の印象が変わる気がしてならない。

店が店を呼び、店に来る人が人を呼び、徐々にエリア自体が注目されていく。陽の当たらなかった通りが、いつの間にか眩しくなってくる。

どうやら、この流れは万国共通のようだ。

ちなみに、7月の山笠では、この御供所通りを駆け抜ける。伝統も所々に残っているのが御供所通りの面白さ。

そしてこの度、その「御供所通り」に町屋を改装したカフェがオープンした。

建物は、ほんの半年前までボロボロな状態だったが、オーナーさんが外壁など主要部分を改修し、福岡R不動産で「町屋再生プロジェクト!」というタイトルで募集した。


左から改装前→改装中→改装後。みごとな変わり様。

内見時はひどく荒んだ状態。外壁が壊れてる!

2階のスペースにオープンした「お菓子と珈琲 Simplicit'e(サンプリスィテ)」

店主の難波さんが1人で切り盛りしている小さなカフェ。店の扉を開けた瞬間に広がる、コーヒーと木の香りがなんとも癒し系だ。

お店の名前「Simplicit'e」はフランス語で、英語の「シンプル」に当たる。素朴な内装と素朴なお菓子、素朴なコーヒーをいただきながら、難波さんに尋ねてみた。

--いくつくらい物件見ましたか?

「1つ目です。初めて内見してすぐ決めてしまいました。2年くらい前からお店を出したいと考えていたのですが、この町家のイメージが思い描いていたイメージにぴったりだったので・・・。それからは一気に2ヶ月でオープンまで進みました。」

--人通りは少ない場所ですが・・・

「大人の女性が一人でも入りやすいお店にしたかったので、人の多い中心部でやろうとは思いませんでした。周りにお寺などもあり、お客さまが寛げる環境が気に入りました。仕事中にふらっと立ち寄っていただいたり、遠方からわざわざお越し頂いたり、皆さん思い思いにリラックスしていただいています。近くにもオシャレなオフィスがあったりするので、これからの通りの変化も楽しみです。」

個人的にもこの通りの変化は楽しみだ。さらに御供所エリア自体を活性化させようと、地域の方々と引越してきた若手クリエーターが手を組み、369プロジェクトという名前で活動を広げていくとのこと。今後も目が離せない。

お菓子と珈琲 Simplicit'e(サンプリスィテ)
福岡市博多区上呉服町3-4-2F
TEL:092-262-5012
営業時間 11:30~17:30 不定休

今回ご紹介した御供所通りの新鋭スポットはこちら。

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このブログについて

海も川も緑も、そして街も空港も、なんだってすぐそこにある福岡。東京から移住して、気づけばその魅力を満喫すべく、会社を立ち上げたり、倉庫のような物件を改装してオフィスにしたり、果てには芥屋の海沿いに土地を買ってしまったり。徐々に増えていく福岡R不動産のメンバーとともに、この街の魅力を再発見する日々を綴ります。
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著者紹介

本田雄一
長谷川繁
坂田賢治
松尾隆文

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