情感グラデーション

♦︎価格改定されました♦︎

南向きの採光面から注ぎ込む陽光と床材の雰囲気がベストマッチした平和な一室は、非常に愛らしい空気を纏っています。

そこに、白の塗装壁を組み合わせて設えのベースとしつつ、梁を躯体現しにしていたりアースカラーの建具を採用。各色相のトーンをある程度統一することで、うまくアクセントを作りながら居心地の良い世界を作り上げている印象です。

サニタリーに使われているピンク系の表層色についても、やはりアースカラーで統一。居室と少し違うのは、フローティングした洗面台も含め、やや上品な雰囲気に仕上げられていることでしょうか。大きくテーマが転換しているわけではなく、とは言え飽きがこない程度の変化をつけている点が秀逸です。

個人的には、天板がブラック系の色味かつ床材との親和性を感じるキッチンにヤラれました。このへんは、極端にお部屋と同系すぎてもノッペリとした感じが拭えなくて難しいのですが、しっかりとリビングに馴染ませつつ存在感も際立っています。

その他、リビング隅の一角にはクローゼットくらいの面積を活用した書斎が。住み手の暮らしの形に合わせて少しづつ使い方が変化していくような、ユニークな未来を想像してしまいますね。

外には、コンパクトなお庭が付いているものの、別棟の共用階段から丸見えなのでプライベート感がないことは残念。さらに、そこに接面しているリビングへも同じく外からの視線が通ってしまうわけで、人によってはネックと捉えてしまう共用部設計かも。

だけど、室外の専用スペースが広いってのは理屈抜きに気持ち良いですし、直線的で白いハコが連なったような外観は"ネオ・ヴィンテージ"とでも呼びたい雰囲気であり、個人的には、この個性をもってチャラにしたい感じです。

「エレベータがないから」と切り捨ててしまえばそれまでですが、建物脇を一段一段登って行くにつれて、クラシックで優しげな気分が自分の中で高まっていくのを感じます。

そしてなにより、それが室内へ溶け込んでいく時の感情的なグラデーションに心地良さを感じてしまうと同時に、そんな心の揺らめきにこそ、当物件の本質的な魅力が潜んでいるような気がしました。

※家具家電等は撤去されます
※売主居住中につき、内覧には早めの日程調整が必要です