包み込んでよ、春吉

「春吉を知らずして福岡を知った気になってはいけない。」とか、誰かが言ってるかどうかは知りませんが、誰かしら言ってそうな気がします。

基本的には、シャレの効いた格言すら使いこなしたい大人たちのカジュアルゾーン。気の利いた飲食店が所狭しと点在しているわけですが、コロナ禍以前の宿泊施設建設ラッシュも記憶に新しく、変化の著しい街という一面も持っています。

まさしく、春吉で過ごす時間は瞬きする間もなく過去になってしまうのです。

夜は数え切れないほどのネオンライトが川面で踊る一方、日中は『自分を写す鏡』とでも言わんばかりの穏やかな表情に変化します。「昨夜は楽しくてあっという間だったなぁ・・・」なんて、物思いにふけってしまうような、ゆったりとした時間。その極端な二面性に、ディープでカオスな春吉の性質を見ることができると個人的には感じており。

もちろん、昼間に散歩でもすれば、それはそれで気持ちのいい風景ではありますが、不動産を使うという観点で分析するなら、日中の人通りは少なく、多くの人にとって洒落たランチを期待する場所ではないでしょう。

かくいう我々、福岡R不動産も2023年までこの地に事務所を構える形でお世話になりましたので、上記取説については概ね正しいと自負しています。

物件自体、一部の厨房機器やトイレ等が残されたセミスケルトン。オーナー負担で完全スケルトンにすることも可能です。写真でも十分伝わってるかと思いますが、この大開口からのリバービューは圧巻なうえ、天井高4m超えと超開放的ですよ。

人々によって紡がれる全ての夜を那珂川は優しく包み込み、夜明けには遠く、海の彼方へ流るるままに。だけどそれは、明日も変貌を遂げ続けるこの街の大きな養分となっていくはず。

春吉の新たな一ページを担う、素敵なお店を期待しています。