不易流行のバイカラー

閑静な住宅街の一角に、突如現れるノスタルジーな空間。
バイカラーが目を引く建物に、これまた存在感のあるシンボルツリーがお出迎え。青空が映える風景に、なんともおだやかな世界が広がっています。

こちらの建物は、昭和45年生まれの御年53歳。少し前までは白い外壁だったようですが、築50年を過ぎてから、この大胆なカラーリングへと心機一転。その決断に、心からの敬意を表したいです。

気になる室内は、現代に合わせてリノベーションが施されていました。全面フローリングにシンプルな間取りは使い勝手がよく、クローゼットや造作棚を活用して、最低限の家具ですっきりとした暮らしも叶います。窓ガラスのレトロな雰囲気はそのまま生かされており、やりすぎない改修で、新旧の調和が良い塩梅です。

近隣の人通りはそこまで多くないですが、細い路地に面した1階のお部屋なので、外からの目線への対策は必要なところ。また、専用ベランダがない点は残念ですが、室内窓には物干し竿の備え付けが、共用部には長い物干し竿があるので、布団などの大きなものを干したいときには共用部を活用すると良さそうです。

丁寧かつ大胆に紡がれてきたこの空間は、次にどんな住人を迎えるのか。昭和の懐かしい雰囲気に浸りつつ、令和の物語を始めたい方へ、新たなバトンが渡ることを楽しみにしています。