オフィスから住居にコンバージョンされた面白い建物。
1965年に製薬会社の自社ビルとして、建築家により手がけられた当ビル。当時の良さを生かしながら、住居や事務所として利用可能なアパートメントとして2006年にコンバージョンされました。
エントランスに入ると、躯体現しの天井・柱にダークグレーのタイル床。階段はフロアシートを剥がした跡の凹凸したテクスチャーがそのまま残されており、その無骨さがまたかっこいい。重厚感のある雰囲気に窓からやさしい光が入り込むことで現れる陰影が美しく、息をのんでしまいます。
4階へ上がり、ビビットな黄色の玄関扉を開けると、想像していたお部屋とは少し違い、いい意味で裏切られました。こんなにも日当たりがよくて開放的だなんて。トーンを落としてムーディーに作られた共有部と同調の内装を想像していましたが、それとは真逆の印象です。
角地に建ち、隣の建物が低層である恩恵を受けた日当たりのいい空間で、ワイドスパンの3面窓が並びます。加えて、全面腰窓なので家具の配置がしやすいところも嬉しいポイント。ミッドセンチュリーな木目調の壁の奥には、書斎や寝室としても使えそうなウォークインクローゼット、キッチン、トイレが隠れています。
柱や梁に使われているコンクリートにはうっすらと木目が。これは当時の建築工法が痕跡として残っており、コンクリートを固める際に、杉板を使っていたため自然に生まれた凹凸。加工では味わえない正真正銘のエイジングは人を惹きつける魅力があります。
共用廊下から直接出入りすることができるもう一つのお部屋は、
バスルームと洗濯機置き場。楕円形の白いバスタブ、タイル床、小さな洗面ボウル、とひとつひとつはシンプルなのに、なんだか海外の雰囲気が。ユニットバスでは出せない、こなれた格好良さがあります。
明度は違えど、共有部分、専有部分ともにミッドセンチュリーを感じさせる空間で、モダン建築を得意とした建設当初の建築家への敬意を感じました。
建設当初ならではの素材や建具をのこしつつ、それに見合うように設えられたものたちを見ていると、本来のリノベーションってこうあってほしいよなぁと思います。
全てを新しくして生まれ変わらせるのではなく、活かせるところを活かし、時を経て、熟成したからこそだせる輝きを引き出す。
理想のリノベーション空間、ここにあらわる。
お気に入り
- 賃料
- 20万円
- 専有面積
- 78.96㎡
- 敷金
- なし
- 礼金
- 3ヶ月
- 償却
- なし
- 共益費
- 10,000円
- 所在地
- 福岡市博多区古門戸町
- 交通
- 福岡市空港線「中洲川端」駅 徒歩9分/西鉄バス「対馬小路」停 徒歩4分
- 建物構造
- 鉄筋コンクリート造 地下1階付き 7階建て
- 所在階
- 4階
- 築年
- 1965年
- 設備
- オール電化/IHクッキングヒーター(3口)/ビルトインエアコン/浴室乾燥機/温水洗浄便座/ブラインド付き/TVモニター付きインターフォン
- 備考
- ペット不可/募集戸数:1戸/事務所使用可(賃料+消費税)/駐車場無し/住居兼事務所可/駅徒歩10分以内/要火災保険契約
- 取引態様
- 媒介
情報修正日時:
情報更新予定日:2024年12月4日
※掲載の情報が現状と異なる場合には、現状を優先するものとします。
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