ハードな坂道のご褒美には

窓一面に広がるのは緑の景色。ここが中央区だなんて、ちょっと意外かもしれません。

場所は六本松のすぐ隣、谷。これまで大きな開発の波からは少し外れてきたエリアです。道幅が狭く、古い家も多く残り、しかも起伏の大きな土地柄のせいか、工事の手もあまり入ってきませんでした。そのぶん木々が多く、自然が豊か。六本松のにぎやかさと比べると、時間がゆっくり流れているように感じます。

まず伝えておきたいのは「坂道がなかなかきつい」ということ。桜坂駅から徒歩圏内ですが、毎日少し汗ばむくらいの勾配があります。車を持っていない方や自転車利用の方は、その点は覚悟が必要です。

ただし、坂をのぼった先で手に入るのは、街なかでは珍しいほどの緑の景色。窓を開ければ、木々のざわめきや鳥の声。バルコニーに立てば、都会の中にいることを忘れてしまうほどの静けさが広がります。

築年数は経っていますが、昔ながらの集合住宅らしい素朴さが魅力。壁紙や床はこれまでに何度か交換されており、室内は清潔感があります。水回りには年季が残るものの、それも含めて味わい。昔のまま残るドアや建具はかわいらしく、古さがむしろチャームポイントになっています。

間取りは3LDK。広さがあるので、住居としてはもちろん、事務所や予約制のサロンとしての利用も相談できます。街の中心部まで自転車や車ですぐに出られる立地なのに、室内には山の気配。オンとオフの切り替えをはっきり持ちたい人にはぴったりかもしれません。


坂道や建物の古さを受け入れられる人なら、その分だけ街なかでは手に入りにくい「緑のある暮らし」と「静けさ」を得られるはずです。