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2009.11.10

島に住むという選択肢 後編

 

改装に際して考えた点といえば、賃貸物件であることを前提に、改装部分を絞り込み、できることは自分たちでやったことくらいだ。

なにしろ建築資材も職人さんも船でやってくるのだから、通常よりもコストは上がってしまう。「やらないことも選択肢」「できることは自分たちで」という前向きなスタンスで望む必要があった。

そして、1ヶ月の自主工事、業者工事を経て完成したのがこちら。


床を無垢フローリングに張替え、壁を珪藻土で塗装した。なぜかお祭り状態。

もっさりとした緑に囲まれた、当然のように海が見える環境。お風呂は外から丸見え。(来るのは動物くらいでしょうが)

造作やペイントデザインは奥さんでデザイナーのヤチヨさんが担当。あちこちで楽しい気分にさせられます。

バーベキューの肉をエサに、知人を島に呼んで、塗装パーティ。

こうして浅羽さん一家の能古島ライフは無事スタートすることができたのだ。

とはいえ島の中で生活を完結するつもりはないらしく、よくこっち(陸)にもやってくる。ふらりと福岡R不動産のオフィスに遊びに来たりもする。島暮らしが馴染んだせいか、ボロボロのジーパンにモジャモジャ頭というまるでバックパッカーの里帰りのような出で立ちで現れるため、スタッフの中では世捨て人とも言われている。

そんな浅羽さんの1週間のライフサイクルは、週に3~4回は打ち合わせで九州の各地を飛び回り、それ以外は能古島で釣り三昧という日々。島では畑も借りて、野菜や果物は採れるけど、スーパーなんかはないので、対岸のお店でまとめ買いするとのこと。

島人だけど、意外にもけっこう頻繁に本土に上陸して、仕事をしているのだ。


さっそくこんなものまで企画・販売をしている。抜かりない・・・。

先日能古島のアイランドパークにて行われた浅羽さんの結婚パーティの様子。特別な日とはいえ、かしこまらず、暖かい気候の中とても楽しい時間を過ごすことができた。

仕事が飲食関係の方はおいしい食べ物を持ち寄り、音楽関係の方は歌ったり踊ったり。参加者それぞれが得意分野で協力するという形も、能古島では自然としっくりくる。

島での暮らしぶりについて聞いてみると、「住むこと」と「働くこと」の境界がとてもあやふやであることに気づく。一日の中で「働く時間」と「余暇の時間」なんて切り分けて考えていないし、まるで全部が遊びのようにも見えるし、逆に全部が仕事のようにも見える。

「いやぁ、ただ面白いことが好きなだけですよ」

という浅羽さんのそんな価値観が、この実にうらやましいライフスタイルを生み出したのだろう。

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このブログについて

海も川も緑も、そして街も空港も、なんだってすぐそこにある福岡。東京から移住して、気づけばその魅力を満喫すべく、会社を立ち上げたり、倉庫のような物件を改装してオフィスにしたり、果てには芥屋の海沿いに土地を買ってしまったり。徐々に増えていく福岡R不動産のメンバーとともに、この街の魅力を再発見する日々を綴ります。
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著者紹介

本田雄一
長谷川繁
坂田賢治
松尾隆文

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