未完成の古民家カフェ

糸島市志摩師吉は、糸島の中でも比較的“内陸寄り”に位置し、観光地化された海沿いエリアとは違った、のどかで生活感のある里山エリアです。

角地に立つ今回の建物は、まわりと比べると少し小ぶりで、古さもある。けれど不思議と目立っていて、「お店かな？」「なんだろう？」と、通りすがりに気になってしまう佇まい。派手さはないけれど、なんだか心に残る。そんな空気をまとった家です。

この家のオーナーは、もともとここでカフェを開くつもりでした。少しずつ手を加えてきたものの、お仕事の合間での作業はなかなか大変。思い描いていたかたちに仕上げるには、時間が足りなかったそう。

「建物も、使ってもらえなかったら可哀想だから。なにか面白いことに使ってもらえたら」
そんな気持ちから、今回貸し出されることになりました。

建物は過去に増築されており、増築部分の面積が不明なため、登記上の57.51㎡より実際は広め。ただ、明確な面積はわかっていないのが正直なところです。

室内は元の間取りを活かしつつ、中央に広めのキッチンを新設。業務用の2層シンクやガス口が2つあり、飲食店として使うことを想定したつくりになっています。

床の張り替えは済んでいますが、塗装は途中で止まっていたりと、ところどころ「この先はお願いします」という状態。現状での引き渡しにはなりますが、私物は撤去され、床の仕上げさえすればすぐに使い始められるくらいのコンディションです。

DIYや改装も自由で、業種の制限もなし。ピカピカに整えるより、この建物がもつ風合いや空気を活かしながら、少しずつ手を加えていくような使い方が合いそうです。この“未完成感”にピンとくる方は、きっといるはず。

カフェ、住居兼アトリエ、料理教室やリトリートなど…用途はさまざま。初めてお店を持つ方には、ちょうどいいスケール感かもしれません。

ちなみに庭はそこそこ広めで、駐車場は3〜4台は余裕。頑張れば6台くらいは入りそう。そういう意味でも、テナント利用を視野に入れやすい物件です。ただ道幅が狭いので、運転の苦手な方や大きな車の乗り入れは難しいかもしれません。

まだ未完成。だからこそ、自由に使える余白があります。
これからどんな展開を見せてくれるのか――

あとは頼んだ！