やわらかい居心地

「お部屋をリノベーションしました。」と聞きますが、「それってただの表層リフォームだよね。」と思うことが多々あります。

格好良く生まれ変わったお部屋は、リノベーションして生まれ変わった「芸術」と表現するのが正しいと思うこの頃。個人的にリノベーションって、単なる改装ではなく自己表現を形にした、アイディアと芸術性が詰まったアートだと思っています。

そんな、こだわりが詰まったお部屋が団地の1室に誕生しました。

内装はすべて解体し、コンクリートの躯体を白に塗装。さらに素材感を高めるために、床には柔らかい足触りと調湿効果がある杉の無垢材を採用。洗面所を除く、玄関から部屋の隅々までびっちりと敷き詰められています。

洋室の壁には、僕自身はじめて見た、デニムの端材を再利用した左官材を使用。独特な質感と手触り感を楽しめます。そして珍しいのは壁だけでなく、扉はコルクを使っており、お部屋の印象を変える重要な役割を果たしてます。

こだわりの素材だけでなく、間取りも変更済み。既存の壁をぶち抜いたダイニングはリビングと同じ開放感のある空間に。リビングとの壁も大きく開口し、バルコニーから差し込む光が部屋の奥まで届きます。

またワイドスパンのバルコニーも魅力的。空が澄んだ日は油山を一望できます。注意点としましては、この眺望と引き換えにお部屋が階段の4階ということ。

ですが、この部屋の内装には抜けた眺望が必須なのです。素敵な内装に心地よい日差しと風が吹き抜ければ、文句なし。いや文句は言わせない。

わかる人にわかってほしい。そんな気持ちでお待ちしております。