レトロを愛でる余白

築50年。数字だけを見ると「古いから」と一歩引かれることも多いかもしれません。けれど、その年月を経たからこそ手に入れられる味わいやゆとりは、今では逆に貴重になってきました。新しさとは違う価値を持つレトロな魅力が、この建物にはしっかりと残されています。

余裕のある敷地に、ゆったり配置された建物。共用部のタイルや手すりに漂う、ちょっとレトロな趣き。無駄を削ぎ落とした現代的なマンションにはない、のんびりとした空気が流れています。

室内は2018年にフルリノベーション済み。木を多用した床や建具があたたかみを添え、落ち着いた雰囲気をつくり出しています。新しく整っているはずなのに、築50年の建物に収まると自然に馴染んでいる。ピカピカすぎず、古びすぎず、そのバランスがとても心地よく感じました。

立地は高宮駅から徒歩15分。最後に少し丘をのぼりますが、その先に広がる抜け感や、ちょっとした開放感に包まれると、むしろこの距離感がちょうどいいと思えてしまうから不思議。近所にはスーパーやコンビニも揃い、暮らしの便利さもきちんと備わっています。

そして広さや間取りの余裕、窓からの程よい抜け感。これでこの価格なら、きっとレトロ好きの心をくすぐる一室でしょう。

新しさを追うのも楽しいけれど、古さを面白がり、愛でる感覚こそ暮らしを豊かにしてくれる。私自身、そんな発見を味わえる空間に出会うと、つい誰かに勧めたくなってしまいます。

気になる方は、ぜひその目で。