唐津駅の近く、刀町の商店街を歩いていたら見えてくる、ちょっと懐かしさを感じる建物。
かつてここには、レコードやスピーカー、ホームシアターを扱うオーディオショップがありました。
若い頃、ふらりと立ち寄ってレコードを掘りに来た。
そんな記憶が残っている人が、このまちには今も少なからずいるはずです。
その建物がいま、「唐津の土と文化」をテーマに、“つくる・はたらく・とまる”がゆるやかにつながる拠点として、新しく生まれ変わろうとしています。
3階には、唐津焼や地域の素材を取り入れた宿泊施設。
2階には、陶芸家や学生、地元のプレイヤーたちが混ざり合って使える、シェア型のワークスペース。
そして今回の募集区画である1階には、まちにひらかれた“入り口”として、文化と暮らしをつなぐようなお店や場所を迎えたいと考えています。
もともと音楽や映画が好きな人たちが集い、感性をひらいていた場所。
今度は、唐津の土や器、食や道具など、手ざわりのあるものを通じて、また新しい風景が生まれていくはずです。
たとえば、唐津焼の器でスープを提供する小さな食堂。
暮らしの道具を集めたライフスタイルショップ。
週末だけ開くクラフトマーケットや展示イベント。
どんな形であれ、この建物全体のテーマとやわらかくつながっていくような営みであれば、アイデアは自由です。
唐津焼には、「作り手八分、使い手二分」という考え方があります。
つくり手がすべてを完成させるのではなく、使う人の手でその器が“育っていく”。
暮らしの中で完成される“用の美”の思想です。
そんな考え方にならい、この建物も空間のすべてを作り込まず、
“余白”を大切にした空間として、関わる人たちと一緒に育っていくことを目指しています。
完成された場所ではないからこそ、ひらかれている可能性がある。
だからこそ、探しているのは、ただのテナントではありません。
このプロジェクトに共感し、まちの風景を一緒につくっていく仲間のような存在です。
唐津のまちなかで、“文化の入口”を一緒にひらいてくれる方。
ここから始まる日々が、どんなふうに育っていくのか。
その未来を、私も楽しみにしています。
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なお、この物件は、ゴールデンウィーク期間中に開催される「唐津やきもん祭り」の会場のひとつとしてお披露目されます。
リブランディング後、初めての公開機会です。
【8\2 LAB お披露目イベント】
期間:4月29日(月・祝)〜5月5日(日)
場所:唐津市刀町1529(マップNo.10)
■ 日替わりイベント
・4/29|茶香器:お茶とお香を唐津焼で味わう体験
・5/3〜5/4|TENSHUDO:唐津焼酒碗で日本酒の角打ち
・5/5|Hobo Beer Store:クラフトビール飲み比べ
・5/4・5/5|V Revolution MAX:DJとコーヒー販売
■ 常設展示・販売(4/29〜5/5)
唐津焼・茶器・酒器・お香・和紙・アクセサリー・スピーカーなど
出展:松尾俊一、三田かおり、庄島健泰、谷口弦、竹内磨澄、村山健太郎 ほか
「8\2 LAB」チームによる、解体の様子や取り組みの展示も行います。
スペースの空気を感じたり、「ここでなにをしよう?」と想像をめぐらせたり。
気になる方は、ぜひ気軽に遊びに来てください。