福岡の街は基本的に平らです。中心部に近づくほどに普段の生活の中で坂を感じることは少なく、それが暮らしやすさの一つの要因とも言えるでしょう。
一方で、坂や起伏があることによって整備されない入り組んだ道が残ったり、その先に思いがけない眺望が現れたり、緑が溢れていたりすることもあります。普段はデメリットと考えられがちな条件でも、見方を変えれば生活に潤いを与え、人によっては魅力になるということ。
福岡中心部の丘エリア
出典:国土地理院掲載のデジタル標高地形図画像データD・1-No.463 福岡の街が平らであるのは、標高マップを見れば一目瞭然。立体感のある暮らしを手に入れようとすると、まずは天神の南側に広がる丘陵地がターゲットになるわけです。中でも平尾から平和にかけての一帯は都心から直線距離で2kmほどなのに、まるで「ここは郊外?」と思わせるようなどこかゆったりとした空気が流れています。平らな土地での生活に慣れていると坂道や入り組んだ道はともすると不便に感じますが、その先にあるのは日当り、眺望、開放感。建て込んだ中心地ではマンションの上層階でしか手に入らない環境が、低層階でも周辺の緑を間近に感じつつも手に入れられるのです。
このエリアからは、福岡R不動産でもこれまで出会った瞬間ついついカメラのシャッターを押したくなるような物件をいくつも紹介してきました。その代表的な例のひとつが雁行型ヴィンテージマンション。まるで渡り鳥の群れの飛行体系のように斜面に広がる建物の魅力は外観だけにとどまりません。全ての部屋が角部屋になったり、大きな窓の向こうのバルコニーも広々、そして眺望はご覧の通りの絶景。多くの緑と中心部を見渡せます。また、このエリアは築30年以上のヴィンテージマンションや団地が多いため、建物の配置計画にゆとりもあります。中心部から離れすぎず、子どもがのびのびと遊べるエリアの一つであり、子育て世代が比較的多いです。
丘一帯に広がる動植物園のみならず、至る所に緑豊かな森や公園、ふと足を止めて涼みたくなるようなかわいらしい池が点在していて、健康のためにと始めた散歩も自然の息づかいや四季の変化を感じる楽しみに変わりそう。
ただ、丘エリアは最寄りの西鉄駅まで徒歩で10分〜15分以上かかることが多いし、丘だけにもちろん坂道。それでもその先には「坂道を上ってこそ」の暮らしがあるし、そもそも車やバイクを使うことを前提にすれば坂や駅からの距離は大きな要素ではなくなりそうです。「最寄り駅から徒歩◯分」という条件でフィルターをかけてしまいがちですが、「豊かな暮らし」の基準を疑ってみると、物件を探すときの初期条件も変わって来るかもしれません。
以前ご紹介した丘エリアの入居者レポートもどうぞ。
シェアの原点 〜心地いい環境を共有する〜
戸建の一部を美容室に改装~トコシエ~