2016.11.8 |
Rトピックス 壱岐の暮らしを満喫する人たち ~ローカルガイド壱岐編(2)~坂田賢治(福岡R不動産/DMX) ローカルガイド壱岐編(前回のコラムはこちら)、第2回の今回は「人」を中心にご紹介。壱岐の魅力はさまざまですが、その要になっているのはやっぱり人の存在でした。 暮らしから見えてくる壱岐の魅力 毎月のように壱岐に通い、出会う人たちに話を聞いていると本当に楽しそうに島のことを語ってくれます(もちろん台風のときの厳しさなんかの話もありますが……)。その表情にはどこか精神的なゆとりや島への誇りみたいなものをいつも感じてしまいます。 大好きな魚釣りのためにUターン まず、1人目は前回のコラムでも少しご紹介したみなとやゲストハウスのご主人・大川漁志さん(35歳)。 壱岐出身の大川さんは、美術に目覚め、高校進学のタイミングで福岡に引越し。その後は、美大への進学で上京とますます壱岐から離れていきますが、9年前に壱岐に帰って来ました。その目的の1つが、なんと魚釣り。そう、何よりも釣りが大好きなんです。その腕前は釣り具メーカーとプロ契約を結ぶほどとか……。壱岐以外のさまざまな釣り場に行って、壱岐の釣り場の魅力を再確認したそうです。 素敵な縁が生まれる宿をつくりたい! そんな大川さん、最近ゲストハウスを始めました。幼い頃から魚釣りが大好きだった大川さん。壱岐だけでは物足りず、釣り竿を抱えて日本の北から南まで旅してきました。その旅での人との出会いが大川さんの財産になっています。 ゲストハウスオーナー、釣り師、絵描き みなとやゲストハウスに行くと気になるのが、ちょっと洒落の利いたかわいらしいグッズたち。これらは大川さん自身がシルクスクリーンで刷ってつくっています。美大出身の大川さん、こうした作業はお手のものです。 普段は、ゲストハウスを運営しながら、毎朝のように海に出て魚を釣り、夜は釣った魚でお客さんや地元の人と宴、そして次の日の朝も海へ。たまに新しい商品のデザインをしたり、ゲストハウスを休んで他の島に釣り旅行に行ったりと、自分の好きなことと仕事が一体化している大川さん。ゲストハウスの建物も、その日の夕食の魚も、Tシャツなども、ぜんぶ自分で獲ったり、つくったり。そんな暮らし方にとても感心させられました。 博物館をつくるために壱岐に 次にご紹介するのが、一級建築士の森田健太郎さん(43歳)。もともとは、2010年に完成した壱岐の歴史を紹介する一支国博物館の現場監理者として35歳の時に東京からやってきたそうです。更地の段階から完成するまでの2年間、壱岐に住んで仕事をしていました。 博物館が完成した後、普通なら今までの拠点である東京に帰るところですが、建設に携わるうち、森田さんの中では「博物館を建ててそのまま帰って良いのか?」「もっと壱岐でやるべきことがあるかもしれない」という思いが生まれていました。そして、一度壱岐を離れてしまうと物理的にも経済的にも戻ってくるのが難しいからと、留まることを決意。 食べ物がつくられるプロセスを知りたくなった そんな森田さんが壱岐に留まってまず始めたことが米づくりでした。壱岐に住み始めて感じたのが、食べ物ができる過程など暮らしの根底に関わることを全然知らないこと。気にもしていなかった自分に危機感を覚えたそうです。壱岐にいると第一次産業に関わっている人たちが多く、日常にその過程に触れる機会が多くあります。そこで、農家さんにお願いして苗を作るところから刈り取って精米するところまで、半年間をかけて体験して学びました。 その後も昔ながらの漁師町の街並みが残る勝本(かつもと)地区に惚れ込んで、その活性化のために街歩きのプログラムを作ったり、使われていなかった古民家を再生したりと地域に密着してさまざまな活動を行っています。本業では個人宅や店舗の内装など、壱岐市内での設計も多く手掛けられています。壱岐らしいところでは牛舎の設計なども。 多拠点という新たなチャレンジ 最近では壱岐だけではなく島外の仕事も増えており、福岡市内にも事務所を借りられたそうです。また東京にもスタッフがいて遠隔で指示をしたり出張したりといった仕事の仕方をするなど、今までの島での仕事とは違う多拠点的な働き方を実践しています。 さまざまな地域行事、マラソンや自転車などのスポーツイベントにも参加している森田さん。建築家という忙しい仕事をこなしながら、どう時間をやりくりしているのか聞いてみると「無理やり時間を作るんですよ」というシンプルな答えが。この言葉からは、地域との関わりを重視する森田さんの姿勢が垣間見えました。 住めば住むほど魅力が見えてくる壱岐 今回、いろんな移住者にお話を聞きましたが、印象的だったのが、森田さんのように「はじめは期間限定で滞在していずれ戻るつもりだったが、いつのまにか壱岐を気に入ってそのまま住んでしまっている」という人が何人もいたこと。 ちなみに壱岐市は、福岡市から直行便が出ている5つの島(壱岐・対馬・上五島・下五島・屋久島)、6市町による広域連携事業「Re島PROJECT」を実施中。サイト内では壱岐の日常の風景をムービーで見ることができますのでそちらもどうぞ。 |
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